"ご相談から設計・完成まで"
"プロセス"
建築の計画や設計は、下記のように進行していきます。
1.相談
設計事務所の仕事とは?など、具体的な建物の話の前に、これからの設計の過程や工事の事など、お悩みや疑問にお答えいたします。
2.要望事項の聞き取り
簡単な質問用紙を用意していますので、お答え下さい。
敷地条件、家族構成など基本的な簡単な質問です。
お答えいただいた資料を参考に、もう少し詳しくお話させていただきます。
建物のことだけでなく、趣味や子供の教育方針なんかもお話したいですね。
はじめはなかなか具体的な要望は出ないかもしれませんが、話し合いを重ねるうちにイメージがはっきりしてくると思います。
3.調査
現場を実際に見に行き、近隣の状況や計画地の現況を把握します。
市役所、町役場、法務局に出向き、法律による規制を調査します。
(計画地が決まっていない場合は希望の条件を満足する土地をお探しいたします)
(銀行ローン、住宅金融公庫の借入など、資金計画についてもご相談に応じます)
4.基本設計
以上の設計条件を把握し、建物の平面、空間の構成、各部の寸法や面積、建築的・設備的に備えるべき機能、主な材料や使用機器の種別と品質、予算とのバランスなどを検討し、それらを統合して内外のデザインを考えます。
まず、最初は手書きのラフな図面を作成します。そして、ご家族のみなさんに提案し、要望を聞き、プランを修正する。という作業を繰り返します。
ある程度の基本方針が決まった段階で、CAD図面を作成し、外観のイメージ図や内部のイメージ図も必要に応じて作成いたします。
模型を作成する場合もあります。
設計の中で最も重要なのが、この基本設計です。
この段階で最終的にどういう空間が出来上がるのかがほぼ決まります。
ですから基本設計には納得のいくまで時間をかけます。
ここで「妥協」をすると最後に後悔することになりますから。
5.実施設計
基本設計にもとづき、細部の設計をします。
施工業者が設計の内容を正確に理解し、イメージしたものを実現できるよう詳細な部分まで表現した図面を作成します。
また、工事費の算定も適正に算出出来るよう、材料の指定なども具体的に記入します。
この段階で建築確認申請を提出し、法律で定められた許可を受けます。
6.施工業者の決定
工業者は建築主推薦の業者があれば、その業者に見積をお願いしますが、こちらから紹介も可能です。
見積書の内容を検討し、請負業者を決定いたします。
見積金額は安くても高くてもいけません。設計図の内容に見合った適正な金額か判断いたします。
この時点で予算が合わない場合は、設計の内容を見直します。
7.工事
工事期間中は設計図の通り施工がなされているか、要求されている品質が確保されているかなど建築主になりかわり現場監理をします。
"設計期間"
1.基本設計
依頼を受けて、最初の提案をするまで2週間から3週間かかります。時間がかかりすぎと感じられるかもしれませんが、今までの経験上、そのくらいの時間は必要です。いいアイデアというものは、一朝一夕に出るものではありません。依頼を受け、要望を聞き、それを頭の中で考え、実際に机に向かって行う作業だけでなく、食事中、入浴中・・・四六時中考えるのです。この考えるということが、設計の本質だと思っています。
そして一度提案し、ご家族の要望を聞き、もう一度考えます。この作業を繰り返し、設計が進んでいきます。基本設計には2年間かかったこともありました。2年間というのは長すぎますが、1週間や2週間で出来ることはまずあり得ません。それだけ重要なことなのです。基本設計期間は、3ヶ月から6ヶ月です。
2.実施設計
基本設計がまとまれば、実施設計です。これは主に図面を作図する作業になります。
ところどころ基本設計で決まって無い部分の打合せはありますが、基本的に事務所での作業となります。
実施設計期間は2ヶ月から3ヶ月です。
3.施工業者の決定
実施設計図面が完成し、業者に見積依頼をし、見積が出てくるまでには10日前後かかります。
それから見積の内容を検討し、業者と交渉し、施工業者を決定します。
見積依頼から業者の決定までは1ヶ月かかります。
予算調整のため、設計を見直すとなるとさらに1ヶ月かかります。
4.工事
工事期間は建物の構造、規模、仕様によって変わりますが、目安としては 延べ床面積が130u、2階建て、木造の場合、5ヶ月から7ヶ月かかります。
以上のように相談を受けてから完成までは1年から1年半かかります。
お急ぎの方もいらっしゃるとは思いますが、一生にそう何回も出来ることではありませんし、かける金額も大きいものですから、納得いくよう、焦らずに時間をかけることも大切です。
"設計料"
設計料は一概には決められませんが、工事金額の数%程度ではなく、設計監理にかかる人役数で、面積、仕様等により、前後しますが、床面積に対して1人役/u×1人役単価(18,000円〜20,000円)+諸経費(税別)が標準的です。詳細については、基本設計の中で相談し決定しますが、段階を追って、以下のように進めます。
1.相談 → 無料
・2時間程度、1回〜2回
2.基本計画 → 50,000円(税別)
・要望の聞き取り:2時間程度、1回〜2回
・調査:現地の状況や法令規制の概略について
・プランの提案:1時間程度、2〜3回、2週間程度に1度のペース、手書きの簡単なプラン図
3.基本設計 → 設計料の3割
・調査:詳細な法令規制
・基本設計:手書きプラン→CAD平面図、立面図、イメージ図または模型
・打合せ:2週間〜1ヶ月に1度程度(決定するまで)
4.実施設計 → 設計料の4割
・詳細な図面の作成:30枚〜40枚程度
・施工業者の決定
・打合せ:2週間〜1ヶ月に一度程度(決定するまで)
5.現場監理 → 設計料の3割
・現場打合せ:週1回以上
(基本的に施工業者と行い、必要に応じて施主も交えて行います)
・必要に応じて施主と打合せ(使用材料、色など)
"契約、設計料の支払いについて
・基本計画は、事前に、50,000円をお支払い願います。
・プランの方針が決まった段階で基本設計契約を結ばせて頂きます。
(設計料は未定とします)
・設計監理契約は基本設計期間中、規模、仕様が決定した時点で金額を相談し契約いたします。
・基本設計料は基本設計完了後に設計料の3割をお支払い願います。
・実施設計料は施工業者が決定した時点で設計料の4割をお支払い願います。
・現場監理料は工事が完了し、引渡後に設計料の3割をお支払い願います。
自分の家を持ちたいと
お考えの貴方に!
Q
設計事務所にたのむメリットは何?
A
設計事務所は制約を受けない自由な発想をもとにした高度な設計と品質や施工の監理を行うことにより、予算内工事、追加工事費の適正な査定をして、建築主の意図するものの品質を高め、適正な価格で所期の目的を達成する役割を引き受けるのです。
したがって、建築を愛されているならば、いつまでも建築の設計者に仔細なことまで相談を持ち掛ければ喜んで面倒を見るものです。
Q
設計事務所に頼むと、設計料がいるので住宅にかかる費用が高くなるのでは?
A
業者とて建築士を雇用している以上、まったく無料で設計監理ができるものではありません。
ただ設計料という費用項目が契約上明記されていないだけで、その分は工事代金中に上乗せされていると考えるべきものでしょう。
むしろ、設計事務所に適正な見積を査定してもらえば、設計料分ぐらいは浮く場合もあることとおもわれます。そして、欠陥やトラブルのない意向通りの家ができあがれば、結局は安くついたこととなるのではないでしょうか。